がん闘病記と日々雑感

がん闘病記と日々雑感

~右往左往の備忘録~

今思えば。人間ドックのこと。

著名人がガンで亡くなるたびに、メディアでは「みんな検診を受けましょう!」というフレーズで締めくくられる。そのたびに私は、「そりゃそうだけど、そのへんの人間ドックでガンが見つかる人はラッキーだよ」と思っている。
 
私の場合は2016年12月に本格的に痛みを感じて病院に行き、ガンが発覚した。人間ドックを最後に受けた3ヶ月後だ。その前も、2年毎に受けていた。ガンは発症してから大きくなるまでに10年~15年かかると言われている。つまり私は、発症してから少なくとも6回は人間ドックを受けている。だが、成績は常にほぼオールAだった。
 
成績が良いことで、私は自分の健康に自信を持っていた。その間にガンはすくすくと育ち、最終的にはステージ3C、大きさにして縦9㎝・横5cmという巨大ものになっていたわけだ。 なぜか? 食道ガンは内視鏡(胃カメラ)でしか見つからないからである。人間ドックの標準項目には全く表れない。そんな大事なことは先に言ってくれと思う。怒
 
胃カメラはオプションでしか受けられない。標準はバリウムだ。しかしそのオプション、あえてやります?  私はいやです。なぜなら下手な技師の検査は苦しいし、人間ドックには麻酔つきがないから。(時間をかけられないから、でしょうね)
腫瘍マーカーも全くあてにならない。私は腫瘍マーカーには出ないタイプでした。無駄金にもほどがある。
そして例え胃カメラを受けていたとしても、早期では見つからなかっただろうと思う。食道ガンで早期〈内視鏡手術で取れる)と言えるのはステージ0までで、1以上は全摘手術または放射線だ。5年生存率は高くなるが、治療や後遺症の辛さはほぼ一緒である。 そしてステージ0で見つけるには相当に高い技師の「見る目」が必要である。 1cm程度の、突起もないガン細胞。これは食道ガンに限らず、他のガンにも同じことが言えるのでは?と思う。 
私の場合は人間ドックを受けたことで自信を持ち、かえって発覚を遅らせてしまったと思っている。
 
ではどうすれば良いか。人間ドックもじっくり選ぶことである。検査項目の内容チェックは基本として、今まで見つけたガンの症例も。
関東では がん研有明のガン検診。聖路加も良いと聞く。 どちらも検査項目は完璧だし、その名の威信にかけて早期ガンを見逃すまいとするはずである。
実際、がん研の症例には食道ガンステージ0がある。その画像を見ながら私は、さすががん研さま♡と呟きました。
 
やるならちゃんと。そうでなければ無意味&無駄金どころか有害なのが人間ドックって話でした。