がん闘病記と日々雑感

がん闘病記と日々雑感

~右往左往の備忘録~

アライブ がん専門医のカルテ

ドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」が良い!

あ、唐突にすみません。私、ドラマ好きなんです。毎クール2~3位見ている。朝ドラ&大河も。好きな朝ドラは1位「カーネーション」2位「ちりとてちん」 大河はありすぎるけど、最近だと「真田丸」「直虎」「いだてん」 連続ドラマだと「アンナチュラル」「ちかえもん」「透明なゆりかご」など(とりあえずぱっと浮かんだのがこの3つ。他にも沢山好きなのあります)(ついでに歴史も好きです)(放射線治療中にやっていた朝ドラは「ひよっこ」で、毎朝ほっこりしながら支度して通院していました)

で、今放送中のドラマ「アライブ がん専門医のカルテ」がとても良いのです。腫瘍内科の心先生が主人公で、様々な癌患者さんの人間ドラマがあるんだけど、それがとてもリアルなのです。医療物にありがちな天才外科医とかそんなのは全く出てこず(それはそれでエンタメとして好きですが)、ひたすら色々なタイプの癌患者さん達に寄り添う話。各回2~3人の癌患者さんが出てくるんだけど、1話目の高畑淳子さん演じる患者さんは、再発転移を繰り返している患者さん。検査で陽性が出たと聞いて「また出来たの~(うんざり)治療は任せるよ、適当にやっちゃって」という感じで基本的にサバサバしているんだけど、夜は眠れないらしく睡眠薬を常用してる。夜の空気を吸いながら生きている幸せを感じたりしている。うん、いるいる。でもこのような患者さんって他のドラマでは見ないと思う。彼女は、たぶん最初はそれなりにショックで、でも何度も再発していくうちに悪い結果にも慣れていった人。そしてうんざりしながらも淡々と治療している。もう1人、石野真子さん演じる患者さんは抗癌剤でだんだん弱っていく姿がリアル。ありがちな(+嘘くさい)「壮絶な戦い」という感じではなく、あー今苦しいんだろうなぁというのが抑えた演技や副作用の描写(爪がだんだん黒ずんできたり)で分かるようになっている。そして彼女なりに人生にきっちりけじめをつけていく。外来の化学治療室とか、看護師が防護服を着ているところとか、ディテールもリアルで自分の時のことを思い出します。

2話目の患者さんは、全員乳癌で、男性と、末期の女性と、20代の女性(佐倉さん) 末期の女性は、乳癌男性に副作用の対処の仕方を教える。彼女の、最期に自分が出来ることを出来る範囲でやっている姿に泣ける。でもこの回最も泣いたのは、20代の佐倉さん。健康診断で見つかった自覚症状なしの乳癌患者さん(ステージ2)で、自分が癌なんて当然信じられない。そして怒る。少し冷静になって癌関連本を沢山買って調べる。そうだよね、そうなるよね。で、場所が悪く全摘を薦められるんだけど、中々受け入れられない。(佐倉さんは未婚。彼氏なし)妊娠した友達に偶然会って、嫉妬する自分を憎む。もう私はこの辺で涙が止まらなかった。手術すれば大丈夫って簡単に言うけど、全然大丈夫じゃないよね、人生は続くんだから。

3話目の患者さんは治療をしつくして、緩和ケアに移る59歳の女性。家族はまだ諦められない中、粛々と自分がやるべきことをやる聡明な人。

4話目は残された家族の話。泣いたわ~。夫はまだ見てないんだけど(いつも録画で見る)私以上に泣くんじゃないかな。私は良かった死ななくて、、、夫のためにも。

そして1話の高畑淳子さんや2話の佐倉さんはその後もずっと出てくる。なぜなら治療は続くから。普通の医療物のように、手術したら終わり!じゃない。2話でメインだった佐倉さんは手術後の抗癌剤をこれからやるんだけど、その前に卵子を凍結保存させるかどうか悩んでる。手術前も後も、経過観察中も、色々な悩みがあるんだよね。そんなところもちゃんと描く。

 

全体的にトーンが淡々としていて、他の医療物にあるような、大げさな描写や抗癌剤に異常に苦しむ姿もない。抗癌剤については世間的イメージがかなり悪いけど、今までのドラマの影響だと思うので、「アライブ」のようなドラマが出来るのは良いことだと思う。あと、癌患者さん達は総じて落ち着いている。これもとても良い。何度も言うけどリアル。安っぽく泣いたり喚いたり騒いだりしない。そんなことより説明をちゃんと聞く方が現実だよね。この辺のテイストは海外ドラマにも似ている。グレイズ・アナトミーとか。

主人公の腫瘍内科医については、がんセンターなどの専門病院には腫瘍内科があるけど、私は専門病院じゃないので腫瘍内科の担当医がついていない。なので経験はないんだけど、彼らはコーディネイターの役割(+抗癌剤)なので、このドラマのような感じなんだと思う。全体的なケアをしてもらえるのは羨ましい。・・・ただし、現実はもっと看護師と協力していると思うけど(ドラマ上には看護師の存在感がない)

逆に言うと、私の主治医(放射線科医)は大変だ。抗癌剤の副作用から外科的&内科的治療の選択まで、全部答えなくちゃならないんだから。。。ありがとうございます、いつも。

横軸にミステリーなストーリーがあるんだけど、それはあんまり、、、 普段はミステリーな話、好きなんですけどね。「アライブ」については、ただ沢山の癌患者さんを見せてくれれば良いと思う。

闘病中の方や残されたご家族は、リアルすぎる医療物は見たくないかもしれないけど、経過観察中の癌サバイバー&ドラマ好きな私としては、このようなドラマが作られることが嬉しいです。かなり良質だと思います。